二人のEighty Three

この二人は東京とNYにいる対照的な二人で私の身近な人なのでぜひご紹介したい。東京のEighty Threeはもちろん母のことで、NYのEighty Threeは行きつけの食事処の女性オーナーである。同じ年、同じ日本で生まれながら、同じ時代を全く別々に、対照的な人生を送ってきた二人。いつかどうにか合わせてあげたいが、やはりそうもいかない。
育った環境も違えば、ものの考え方や、選んだ職業も全く違う。ただいつも比較してしまうのが、体力の違いだ。83歳の母は杖や、補助のキャリーバックがないと歩けない。NYの女性オーナーは自分のお店を切り盛りしながら地下のキッチンまで階段で何往復もしている。本当に合わせたいがそうもいかない。
二人とも話していると、「あれ、なんだっけ、忘れちゃった。」ということが多くなってきた気がする。その点はやはり平等に時間の経過がそれぞれの体に起こっているのだろう。最近もう、覚えられないとか、靴下がはきづらくなっているとか、同じことが起きているのだ。どんなことが起きようが、まだまだ元気に歩いている姿を見るだけで、こちらが元気になる。
NYのレストランオーナーは、夜中の2時3時まで平気で働く。店の買い出しもご主人と一緒に行っている。本人も、買い出しが終わるのが午後4時位ですでにもうその時点で疲れているのだとこぼしている。ただでさえ活気のあるEast Villageの目のつく場所で、お店が始まると同時に学生街ということもあり、すぐに混んでしまう。商売大盛況だ。
そんな彼女も私が一人で行くと一緒にテーブルに座って話相手をしてくれる。今までの自分の生い立ちをしゃべってくれるのだ。話を聞いているだけで、波乱万丈、そんな時代もあったのかととても勉強になる。
東京の母も耳が遠くなりつつも、おしゃべりは元気よくしている。疲れればすぐ寝るし、好きなものを好きなように食べている。体操教室やお茶のみ友達もいるから気晴らしもできる。
彼らはおそらく若い人から元気をもらっていると思っていると思うが、実は逆だ。彼らと接することで私達が元気をもらっているのだ。お互い違う世界で生きている二人だが、砂糖醤油のお餅を食べる姿は同じなのだ。
この二人の話は他愛もない話だが、これからもずっと東京とNYを往復しながらたまに会って話を聞きにいく。私の活力源になっていることに間違いない。 

NaokoのNY暮らし

NY、マンハッタンでReal Estate Agentとして活躍中。NY生活の発見をお送りします。Instaも見てね。https://www.instagram.com/naoko_ichijima/

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